【トーツポテンの化物】

トッポ(栃の実)が笠に刺さってしまった大きなキノコが、痛くて泣いているうちに、実は目玉になり夜な夜な歩き周るようになった。最初は「トッポ取ってえ」と叫んでいたのが訛り、「トーツポテン」と叫ぶようになったのだという。

うろうろするだけで特に悪さはしなかったが、気味悪がって人々が夜中出歩けないというので、勇気のある若者がこの化物を退治しに乗り出した。化物はなんにでも自由に変身することができたので、若者は自分の好物である納豆に変化させ、これを食べてしまった。(!)しかし、化物なんか食ったものだから、腹を下してもんどりうった挙句にドでかい屁をすると、屁と一緒に飛び出た化物はどこかに飛んで行ってしまったそうな。