【蛇殿】へびどの

徳島県に伝わる伝承妖怪。若い殿様姿の美男子に化けて婦女子を誘惑したという。池や沼に棲む大蛇が人間に化け、人間の娘の元へ毎晩通いにくるという話は各地に伝わっており、娘との間に子を成そうとする場合が多い。

 

大蛇の化身と交わり、蛙の卵のようなドロリとしたモノを盥に7.5杯も産んだという娘も居たそうだ《徳島県・角見の渡しの主 / くわん淵の大蛇》。また、大蛇が化けた男のつむじに針を刺して撃退し、節句の生神酒・御神酒を娘に飲ませ、大蛇の子を堕胎(物理的にと言うよりも、憑き物落とすような感じだったかも)させたという話もある《長野県・小池の大蛇》。