2018年

7月

28日

【砂かけ婆】すなかけばばあ

奈良、兵庫、滋賀などに伝わる。人通りの少ない森や竹藪などを歩いていると、パラパラと砂が降ってくるという怪異を成す妖怪。

誰も姿を見たことが無いが、婆の姿だと言われる。

 

頭上から砂をまく妖怪は多く、砂撒き狸や砂撒き鼬などがいる。

森や竹藪に棲んでいる動物が、砂浴びをした後に木の上で身を揺することで砂が下に落ちるのが、怪異の元になったのかもしれない。

ここでは竹藪にいて砂浴びをする生き物としてスズメをモデルに描いてみた。

2017年

11月

22日

【三本足の占い兎】

鳥取県の民話『猿に盗られた嫁さん』に登場する、猟師の嫁をさらった猿側の助っ人。 

 

昔、あるところの山に、猟師と嫁さんが一匹の犬と暮らしていた。
ある日、猟師が犬を連れて猟に出かけた留守に、たくさんの猿たちがやってきて家をとり囲み、中にいた嫁さんは逃げる間もなく大きな親分猿に捕まってしまった。そのまま嫁さんは、猿たちの棲み家のある奥山へさらわれてしまった。 

猟師が帰ってくると、家に嫁さんの姿は無く、あたり一面、猿の足跡がついていたので、すぐにただ事ではないと気付いた。犬を連れて探し回ると猿の家である洞窟があって、猟師の嫁さんは独り座って縫い物をしていた。あたりに猿たちのいる気配はしないので
「よかった、無事だったか。さあ早く帰ろう」と言うと
「いや、もうすぐ猿が戻ってきます。逃げる暇は無いので、急いでアマダへ隠れてください。いくらアナタが鉄砲持っていても、あれだけの数の猿にはとてもかなわないから・・・」

アマダというのは中二階の物置のことで、猟師をアマダへ押しあげると、すぐに猿たちの声が聞こえてきたので、嫁さんは犬には餅搗き臼をかぶせて隠した。
 猿の親分は、戻ってくるなり、

「おかしい。どうも人間臭いぞ。誰ぞ来りゃせんだったか?」と言って、そこらじゅうを嗅いで回ったが見つからない。

「いいえ、人間なんて、来てやしませんよ」
「ほんならどうしてこげな匂いがするのかのう?おい、誰か占いさんを呼んでこい」
「へい、親分!」
 子分の猿がすぐに走って行って、『三本足の占い兎』を連れてきた。兎は、錫杖をジャラジャラ鳴らして占った。親分猿が、「占いは、何と出た」と聞くと、兎は
 「ポンと放てば親猿とられる。搗き臼倒せば子猿がとられる。油断をすりゃあ自分もとられる 、と出た。もうここは恐いけぇ、帰らせてもらいます」と言って、そそくさ逃げるように帰って行った。

兎に占って貰った猿だったが、お告げの意味がわからなかったのでウーンと考えこんでしまった。「ポンと放てば...一体、どういう意味だろう?」

その隙にアマダに隠れていた猟師は、親分猿をねらって、鉄砲を「ポン!」と撃った。
 それを合図に、すかさず嫁さんが搗き臼をひっくり返した。すると犬がとび出て子猿に噛みついたので、突然の襲撃にその場にいた他の子分猿たちは、たちまち蜘蛛の子を散らす様に逃げいった。
 
 「さて、この猿めをどうしてくれようか。大きなやつだから、とても家まで運べんぞ」
 「猿の肝は良い薬になるというから、それだけ持ち帰りましょう」
 猟師は親分猿の肝を土産に家に帰り、そして幸せに暮らしましたとさ。

 

2017年

4月

21日

【白溶裔】しろうねり

古いボロ雑巾が化けた、付喪神の一種。ボロ布で出来た体を持つ竜のような姿で描かれる、鳥山石燕による創作妖怪。(『百器徒然袋』)

雑巾の妖怪だけあって、カビや悪臭をまき散らすだとか、長い身体を使って人間の首に巻き付いたり顔を覆って襲うなどとされる事が多い。

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2016年

10月

13日

【三尸虫】さんしちゅう

人間の体内にいると考えられていた三匹の虫のような妖怪。
人体の頭に青姑(せいこ)、腹に白姑(はくこ)、足の中に血尸(けつし)が潜んでいるとされる(三匹の名前は、三匹それぞれ他にも色々種類がある)

60日に一度めぐってくる庚申(こうしん)の日に眠ると、この三尸が体から抜け出し天帝にその宿主の罪を告げ口し、寿命を縮めると言う(宿主が死ぬと虫は自由になれるので必死に告げ口する)。これを防ぐため庚申の夜は眠らずに過ごすという風習が行われた。いわば合法パジャマパーティーである。

この庚申待ちを18回(3年)続けるか、虫のエネルギー源である米・黍・麦・粟・豆の五穀を断つことで虫を根絶させることができるらしい

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2016年

10月

13日

【撞木娘】しゅもくむすめ

群馬県と長野県の堺にある碓氷峠にでるとされる変った頭の妖怪。「撞木」とは鉦を打ち鳴らすT字の棒でシュモクザメのシュモクと一緒。江戸時代の「妖怪かるた」や妖怪画のモブとしてよく登場する人気キャラクター。カルタでは木陰から飛び出すような様子が描かれているので、ビックリ系の妖怪のようだ。見ようによっては愛嬌があって、なかなか可愛らしい。